那須温泉「鹿の湯」の歴史は古く、7世紀前半の舒明天皇(じょめいてんのう)の時の開湯とされています。
舒明天皇と言ってもピンと来ませんが・・・西暦629年に見つかった温泉で、奈良時代には湯治場として知られていたそうです。
何でも、栃木県では最も古い温泉だとか。
前々から「鹿の湯」の存在は知っていながら入浴した事が無かったので、休みを利用して入浴してきました。
独特の入浴方法に加え、白濁した硫黄の香りが強い温泉。
鹿の湯は、間違いなく「名湯」と言える温泉のひとつでした。
今回は、栃木県の那須温泉「鹿の湯」について綴っています。
那須温泉「鹿の湯」ってどんな温泉?
栃木県の那須町にある「那須温泉郷」。
その中でも「鹿の湯」は那須温泉郷の代表のような温泉で、「元湯」とも呼ばれています。
那須温泉郷は
の7つの温泉で、「那須七湯」とされていますが、最も古い歴史がある温泉ですね。
鹿の湯と言われる由来には言い伝えがあって・・・昔、狩野三郎行廣という人が狩りに出て、大きな白鹿を射ったそうです。
矢傷を負って逃げた鹿を追い掛けたところ、白鹿は湧き出る温泉に入って傷を癒していたとのこと。
そのことから「鹿の湯」と呼ばれるようになったみたいです。
鹿の湯は、栃木で最古の温泉と言うことに加え、「かぶり湯」という独特の入浴方法で人気の共同浴場。
共同浴場なので宿泊はできませんが、周りには「鹿の湯」の源泉を引いている宿がたくさんあります。
泊まりで楽しみたい場合には、鹿の湯を引いてる宿を探してみるのも良いかも知れませんね。
那須温泉「鹿の湯」の泉質は?
前述の通り、鹿の湯は白いにごり湯。
泉質は「単純酸性硫黄温泉」に該当しますね。
結構強めの温泉で、硫黄臭もかなり濃い温泉でした。
入浴後には服にしっかりと「硫黄の香り」が付着してしまうので、一日中温泉気分で居られますよ。
泉質 | 単純酸性硫黄温泉(硫化水素型) |
効能 | 【一般的適応症】 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進 【泉質別適応症】 慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病、高血圧症、動脈硬化症 |
那須温泉「鹿の湯」に行ってきた!
車を降りた瞬間に、強く感じる硫黄臭。
いかにも温泉地と言う雰囲気の鹿の湯です。
情緒ある木造の建物が、期待を膨らませてくれますね。
中に入ると、思いのほか綺麗な感じ。
天井と壁の木の感じが違うので、ちょっと綺麗にしたのでしょうかね。
壁には、鹿の湯を訪れた有名人のサインが飾ってありました。
受付で入浴料(500円)を払ってお風呂へ向かいます。
途中、100円のコイン式ロッカーがあります。
脱衣所や浴場には、貴重品用のロッカーはありません。 お財布や鍵など、貴重品があれば入れておきましょう。
引き戸を開けると脱衣所です。
籠なんかも新しい感じがしましたね。清掃も行き届いており、清潔感のある脱衣所です。
脱衣所の横は、仕切り無しですぐ浴場。
「かぶり湯」の浴槽と打たせ湯があります。
鹿の湯の入浴方法「かぶり湯」
鹿の湯には、「かぶり湯」と言う独自の入浴方法があります。
ぶら下がっている「柄杓(ひしゃく)」を使って、ジャブジャブとお湯をかぶります。その回数は200回。
ひしゃくにて大人およそ200回、子供およそ100回、ひざを湯 のふちに近づけ、頭を下げ、お湯をはね出さぬよう静かにかぶって下さい。
引用:鹿の湯
※お湯が目に入らないようご注意下さい。
この「かぶり湯」は、温泉効果を高める入浴法らしく、「のぼせ」、「吐気」の防止や「頭痛・肩こり・首のこり」に効果があるそうです。
全員200回近くも「かぶっている」のか、服を脱ぎながら見ていたのですが・・・多い人でも50回くらいでしたね。
もちろん、なかには200回やる人も居ると思います。
「200回かぶらないと入ってはいけない」という強制ルールではないので安心しましょう。
実際にチャレンジしてみると、初めは「熱い!」と感じるものの・・・だんだん気持ちよくなってきます。
ただ、やっぱり200回まではしませんでしたが。
鹿の湯は浴槽は温度が6段階!
かぶり湯が終わったら、いざ浴槽へ!
41、42、43、44、46、48度(女湯には48度がない)の6種類の浴槽があります。
特に順番はないので、好きな温度を選んで入浴します。「短熱浴」をすると最も効果があるそうです。
ですね。こちらを繰り返します。
個人的には43℃、44℃辺りが丁度よく入れましたね。46℃・・・入れるけど熱い! 48℃・・・軽く手を入れてやめときました。
ちなみに、
だそうです。
鹿の湯は常連客に怒られる?
鹿の湯さんの口コミを見ていると、「地元の常連客に怒られた」「常連さんが陣取っていて入りにくい」などの書き込みを見る事があります。
実際、この件に関しての張り紙もしてありました。
ただ、自分が訪れた時には全く問題ありませんでしたね。しっかりマナーを守れば心配は要らないと思います。
それでも、初めての利用だとわからない事もありますよね。
後から知ったのですが、46℃とか48℃の浴槽は温度が高いので、
と言うのがあるっぽいですね。初めのふたつはともかく、最後の暗黙ルールなどは本当かわかりませんけど。(ネットにあった情報なので)
何かわからない事があったら、声を掛けて聞いてみて、地元の人に教えてもらうくらいの感覚で良いのかもしれませんね。
普通にマナーを守っていれば大丈夫です。
鹿の湯へのアクセスと駐車場
鹿の湯は、東北自動車道の那須ICから12㎞くらい。
県道17号(那須街道)を20分ほど走ったところにあります。
温泉神社を超えて、国指定の名勝史跡「殺生石」の向かいを入って行ったところですね。
駐車場は50台ほどは停められますので、よっぽど混まない限りは心配いらないと思います。
万が一満車の時には、県道17号を挟んだ向かいの殺生石の駐車場や、少し歩きますが温泉神社の鳥居前にある「県営無料駐車場」を使うと言う選択肢もあります。
「鹿の湯」の営業時間、料金、定休日など基本情報
これから鹿の湯に行ってみたいと言う人の為に、事前に知っておくと良い事もいくつか書いておきますね。
石鹸やシャンプーの使用は禁止
鹿の湯は石鹸やシャンプーの使用は禁止です。
販売は当然していませんし、持ち込みで使うこともできません。
硫黄泉なので泡立ちにくく、浴場が滑りやすくなってしまうのが理由だそうです。
シャワーやカランもなし、ドライヤーもなし
写真を見てわかるかも知れませんが、銭湯とは違うのでシャワーやカラン(蛇口)はありません。
なので、ガシガシ体や頭を洗いたいと言うのには向いていない共同浴場です。
また、ドライヤーもありません。(女湯はわかりません)
混雑状況はどうなの?
初めて訪れたので、普段はわかりませんが・・・今回訪れたのは2020年3月半ばの平日。
朝8時からの営業開始に合わせて行きました。
準備ができた7時50分くらいには入れてもらえたのですが、自分も含めて男湯は10人ほどの利用客。
10人くらいでしたら、充分余裕をもって楽しめます。
週末は結構混んでいるらしい(?)ので、もし可能であれば平日の営業開始に合わせて行くと良いかも知れませんね。
また、8時前でも準備ができたら開けてくれます。
おわりに
1300年以上の歴史がある那須温泉「鹿の湯」。
古くからある温泉の割には、設備も綺麗に管理されていて、とても良い共同浴場でした。
何より、お湯が良い。
個人的にも好みのお湯であると言うのもありますが、硫黄臭のする白濁の酸性湯。
朝に入ったのにも関わらず、一日中硫黄臭い自分が堪りません。
那須七湯が透明の単純泉も多いのですが、いかにも温泉臭い「鹿の湯」、おススメです。
また、鹿の湯に行ったら是非
にも寄って見て下さい。
両方ともすぐそばですし、費用も掛からず楽しめます。(特に温泉神社がおススメです)
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