栃木県の那須温泉郷は人気の温泉。
有名な「鹿の湯」を初め多くの温泉がありますが、なかでも秘湯と言われているのが「北温泉旅館」です。
映画、テルマエ・ロマエのロケ地になったことでも知られていますが、江戸時代からの建物がそのまま残る風情のある温泉旅館ですね。
その北温泉旅館の代名詞にもなっているのが「天狗の湯」。
ドバドバと豊富な湯量の温泉は「子宝に恵まれる」ともいわれています。
今回は、奥那須の秘湯「北温泉旅館」について綴っています。
鄙びた(ひなびた)系が好きな人には堪らない北温泉旅館
北温泉旅館の歴史は古く、約1200年前に見つかった温泉だそうです。
江戸・明治・昭和時代に建てられた3つの建物が今でも使われていて、良く言えば「風情がある」「歴史を感じる」「レトロ」という言葉がぴったりの一軒宿です。
ただ、悪く言えば「ボロい」とも言えるので・・・新しくて、明るくて、アメニティも豊富。スパのようなお風呂が好き!と言うような人には向いていないと思います。
ただ、個人的には非常に楽しめました!
良い温泉でしたよ。
温泉好きな人は多いと思いますが、「秘湯」とか「鄙びた(ひなびた)系温泉」が好きな人には堪らない温泉ではないでしょうかね。
まず、引き戸の入り口から雰囲気ありすぎです。
「開けて平気なの?」と一瞬躊躇してしまいました。
なかに入ると、右手に帳場があります。
こちらも重厚感が凄いですね。
こちらが館内の案内図。
確かに案内図の通りなのですが、実際は記載されていない宿泊者の客室もたくさんあるので、歩いてみると案内図よりも広く感じます。
建物自体が古いので当たり前ですが、廊下や階段、柱と、何もかも情緒たっぷりです。
少し探索してみたのですが、まるで迷路のよう。
慣れないと迷ってしまいそうな感じです。
何げなく置いてある置物や、日用雑貨(?)も古いものがたくさんありました。
ふらふら館内を歩いているのも楽しかったですね。
北温泉旅館の泉質は?
北温泉旅館には「天狗の湯」「相の湯」「芽の湯」と3つの源泉があるのですが、全て単純泉です。
基本的には、無色透明のお湯で無味無臭。
代表的な天狗の湯は、ほんのり鉄っぽい香りがしましたね。
源泉かけ流しですが、そのままでは高めの温度なので、温度調節の為に少し加水をしています。
また、とにかく湯量が豊富。
ドバドバと流れていて、常に浴槽からお湯が溢れていました。
新鮮なお湯をこれでもかというくらい堪能できます。
有名な「天狗の湯」以外にもたくさんのお湯がある
北温泉旅館と言えば、最も有名なのは天狗の湯でしょう。インパクトのあるお風呂は、ネットや本などで見たことがあると言う人も多いのでは。
ただ、他にもたくさんお風呂があります。
全部入ったわけではありませんが紹介しておきます。
なにはともあれ「天狗の湯」
北温泉旅館の代名詞にもなっているのが、この「天狗の湯」でしょう。
文字通り、1200年前に天狗が発見したと言われている温泉です。
鉄分を含んでいるので、ほんのり鉄っぽい匂いがします。
圧巻なのは巨大な天狗の面。ぶら下がっているランプも雰囲気を醸し出していますね。
ちなみに、北温泉旅館はシャワーやカランはありません。(天狗の湯だけでなく他のお風呂も。)
備え付けの石鹸やシャンプーもないので、使いたい人は持参ですね。
それから豊富な湯量。
天狗の湯は特に多く、ドバドバ、ジャバジャバと新鮮な源泉が流れっぱなし。
浴槽からは常にお湯が溢れまくりです。
天狗の湯は、北温泉旅館に来たなら絶対に入りたい温泉ですね。
ただ、残念ながら日帰り入浴の時間は「男性専用」になっています。
以前は混浴だったらしいのですが・・・。
そのため、もし女性で入りたければ、宿泊で来るしかないみたいですね。
また、日帰り以外の時間帯は「混浴」になるそうです。
なので「女性専用」になると言うわけではありません。
天狗の湯は泉飲もできます。
ぶら下がっているカップは使う気がしませんでしたが・・・湧き出る源泉を手ですくって少し飲んでみると、軽くほろ苦い感じはするものの、それほど癖のある感じはしませんでしたね。
打たせ湯と家族風呂
天狗の湯から、更に奥に行くと「打たせ湯」と「家族風呂」があります。
打たせ湯は「不動の湯」「湯滝」とも呼ばれるみたいですが、元禄4年(1692年)建立になる黒不動をお祀りしてあります。
それから家族風呂(温湯・ぬる湯)。
こちらは低めの温度になっていて、精神安定に効果があるようですね。
芽の湯(目の湯)
芽の湯は「目の湯」とも言われ、昔から眼病に良しとされてきた温泉だそうです。
源泉は天狗の湯とは異なる温泉(芽の湯)。
天狗の湯のようなドバドバ感はありませんでしたが、良さそうな温泉でした。
ちょっとした高台にあるので、景色も良かったですね。
ちなみに、この目の湯は普段は女性専用のお風呂です。
※今回は他にお客さんが誰もいなかったので、女将さんに許可をもらって見させてもらいました。
河原の湯
天狗の湯と同じ源泉の露天風呂が「河原の湯」です。
露天風呂は大好きなので、期待していたのですが・・・残念ながらこの日は清掃中。
入浴することはできませんでした。
女将さんに聞いてみたところ、男女別で滝や川を見ながら入れる露天だそうです。
天狗の湯が源泉になってるとの事で、やっぱり湧ドバドバと掛け流しだそうです。
(温度調節の加水はしている)
入れなかったのが残念ですね。
泳ぎ湯
天狗の湯と並んで有名なのが、まるでプールのような「泳ぎ湯」。
混浴で、水着での入浴も可能になっています。(裸でも問題ないです。)
夏などは本気で泳げそうな広さですね。
時期的なものなのか、手を入れてみたら・・・ぬるい!
基本的には、いつもぬるめらしいのですが、寒い中入る温度では無かったですね。
(訪れたのは3月半ば、外気温は10℃もなかったと思います。)
相の湯
泳ぎ湯の手前にある内湯が「相の湯」。
昔は北温泉唯一の混浴だったため「相の湯」と言う名称だそうです。
今は男女別になっていますね。
また、建物は明治の頃のものらしく、非常に趣のあるお風呂です。
ちなみに、このお湯の源泉(相の湯)は、同じ単純泉ですが天狗の湯とは違う源泉ですね。
宿泊の客室も覗かせてもらった
北温泉旅館は一軒宿なので、当然宿泊もできます。
部屋には松・竹・梅のグレードがあって、それぞれ、「昭和の建物」、「明治の建物」、「江戸安政時代の建物」と古い部屋ほど安くなる仕組みですね。
ひと部屋、覗かせてもらったのですが、本当にシンプルなお部屋です。
(※この部屋が松なのか竹なのか、梅なのかは、聞くのを忘れました・・・)
また湯治場として、自炊で宿泊する事もできます。
その場合は食材や調味料持参。
ノスタルジックな宿で、非日常感を味わいたいと言う人には最適な宿かも知れませんね。
北温泉旅館は携帯の電波が入らない?
北温泉旅館は山奥と言っても過言ではありません。
そのため、携帯の電波は入りません。
ただ、ロビーのところでWiFiが拾えます。
それでも、スパスパ繋がると言うわけではないので、携帯は繋がらないと思っていた方が良いかも知れません。
スマホが手放せない!と言う人は、宿泊はできないと思いますよ(笑。
北温泉旅館へのアクセスと基本情報
北温泉旅館は、那須温泉郷の奥にある一軒宿。
ただ、東北道の那須ICから車で17kmほどですので、距離的にはそれほど遠くありません。
空いていれば那須ICから駐車場までは、30分くらいで行けるのではないでしょうか。
ただ、不便なのは駐車場から旅館まで、10分ほど歩かないといけないこと。
ちょっとした坂道になっているので、サンダルなどでは大変かも知れません。(冬は雪や凍結でサンダルでは無理だと思います。)
ちなみに、訪れたのは暖冬だった2020年の3月半ば。
女将さんに聞いたところ、例年はもっと雪や凍結が凄いらしいです。
冬季はスタッドレスが無いと駄目ですので、注意しましょう。
北温泉旅館の駐車場
駐車場は、「駒止の滝」の駐車場を利用します。
駐車スペースは充分あるので、いっぱいになる可能性は低いでしょう。
北温泉旅館の車も停まっています。
車を停めると下に降りる階段があり、北温泉旅館の看板がぶら下がってます。
ここからは一本道なので、迷うことなく辿り着くと思います。
おわりに:不便や古さを楽しめる人にはおすすめ!
北温泉旅館は、良くも悪くも「古い」宿です。
当然不便な事もありますし、設備も古いです。
そのため、決して万人受けするとは思えません。
日帰りの入浴もですが、宿泊ならなおさら「向き不向き」が出るでしょう。
ただ、古さや不便さを理解したうえで楽しめるような人であれば、きっと良い時間を過ごせると思います。
まるで時間が止まったかのような、不思議な空間でしたよ。
コメント