群馬県の太田市に面白い資料館があると言うので行ってきました。
徳川家ゆかりの縁切り寺であった満徳寺(まんとくじ)の資料館です。
実際に満徳寺があった場所の隣にある資料館で「悪縁を切る」おまじないとして、縁切札をトイレに流すという事ができるのです!
また縁切りだけでなく、縁結びの祈願もできます。
資料館と言う名のとおり、現在はお寺としての機能は無いのですが、非常に面白いところでした。
今回は満徳寺資料館の様子や行き方、駐車場や営業時間・入場料などを紹介します!
縁切寺満徳寺ってこんなところ
満徳寺は、江戸時代に鎌倉の東慶寺と並んで、世界に二つしかない「縁切り寺」だったそうです。
縁切り寺とは、どうしようもない旦那から別れたい妻を救済するお寺で、そこへ駆け込んできた妻を守りつつ、旦那との離婚を達成させてくれたお寺です。
しかも幕府公認!
旦那としては、奥さんに満徳寺に駆け込まれたら、ほぼ強制的に幕府に離婚させられると言う訳です。(実際は色々な手続きや流れがあるのですが、資料館で勉強できます!)
今の世の中にもあったら、面白いなぁと思いますよね。
満徳寺の始まりは、明確な記録が残っていないそうなのですが、お寺の言い伝え「由緒書」によると、鎌倉時代に徳川義季(とくがわよしすえ)と言う人が中心になって建立されたそうです。
そこから色々と紆余曲折あったようなのですが(省略して)、この徳川義季と言う人は、徳川家康の先祖だったんです。また、徳川家康の孫娘「千姫」も絡んでいるエピソードなどもあります。
そのため、徳川家康もこの満徳寺を特別扱いして、縁切り寺としての地位を確立していったそうです。
もの凄くあっさり説明すると、こんな感じのお寺です。
また、ちなみに尼寺だったそうですよ。このあたりの経緯や歴史は資料館に行けばバッチリわかります!
また、満徳寺資料館では縁切り寺の資料や歴史がわかるだけでなく、実際に縁切り(縁結びも)の祈願ができます。
しかも、その方法がお札をトイレに流す!という面白い方法なんですよね。(マツコの月曜から夜更かしに出たこともるみたいですね)
縁を切りたい人も、縁を結びたい人も、どちらも楽しめる資料館です!
縁切札・縁結札をトイレに流してきた!
資料館に向かう前に、まずは案内図をチェックします。満徳寺遺跡公園と書いてあります。
後々わかった事なのですが、当時の満徳寺は火災などでなくなってしまい、現在は跡地が残っているだけだそうです。
本堂だけは、昔の本堂があった場所に最近建てたらしいのですが、後は確かに遺跡のようになっていました。
資料館の入り口は一見、普通の資料館ですね。(太田市の施設なので当たりまえですが)
中に入り、入場料を払います(200円)。思ったより空いていて、ほぼ貸切状態です。
また、縁切り・縁結びの祈願をしたい人は、別途200円で「縁切札・縁結札」を購入できます。是非、買っておきましょう。
入場手続きを済ませると、受付の方がDVDを流してくれます。
縁切寺の説明DVDです。「おきよさん縁切りす(7分)」という物語は、はっきり言って「日本むかし話」です。
声も市原悦子でした!続いて「縁切寺の歴史(6分)」こちらも面白いです。
真剣に見ていたらあっという間の13分です。
DVDコーナーの裏手には、噂の厠(トイレ)の入り口があったのですが、まずはしっかりと資料館を見学して、縁切り寺について学ぶことにします。
勉強は苦手ですが、テーマが興味深いとやる気も違いますね。笑
幕府公認、強制的な離婚を執行するお寺が江戸時代にあったと言うのは、本当にすごい話ですね。
一通り見学をして、いよいよトイレに流す時が来ました。まずは、縁切札と縁結札に、縁を切りたい人、縁を結びたい人の名前を書きます。
もちろん、人名でなく「事」でも大丈夫です。
タバコと縁を切りたい!借金と縁を切りたい!独身と縁を切りたい!(結婚したい)などと言う縁切りや、目指す学校との縁結び、無事故無違反と縁結び、良縁と縁結び!など色々な縁結びもOKです。
縁結びと縁切りの札に使うペンの色が決まっているので、注意しながら書きました。(内容は秘密です)
書いた札を持って、いざ縁切り(縁結び)トイレへ!
白いトイレと黒いトイレが並んでいます。和式で良かったです、洋式便座だとちょっと・・・。
白い便器に縁切札、黒い便器に縁結び札を浮かべると、お札がジワジワ膨らんで溶けていきます。
一気に願掛けをしながら流してやりました!願いが叶うと良いですね。
資料館を出たら、満徳寺の跡地に見学に行きます。残念ながら、現在はお寺としての機能は無く、廃寺になっているので太田市の持ち物です。
市の職員さんが管理しているそうです。
当時の様子を復元していて、本堂だけは最近復元して建てたとの事です。(竹下内閣が1980年代末に「ふるさと創生事業」で各市区町村に交付金を出した時みたいです)
閉まっているように見えますが、障子が少しだけ空いていて、中に入って良いそうです。
復元した本堂との事で、一般的なお寺のような感じではなくシンプルな感じです。
当時、満徳寺は徳川家の位牌所としての役目もあったようで、歴代将軍の位脾を祀っていたそうです。
そんな当時のイメージを復元しているようです。
こちらは駆け込み門の復元ですね。現在は閉まりっぱなしですが、昔はこの門を通るために旦那から逃げてくる人たくさん居たのでしょうね。そう思うと、何故か重みが増しますね。
遠方の人は郵送でお札を流してくれる
縁切札、縁結札を流してみたいけど、遠くてなかなか行けない・・・と言う人には郵送すると資料館の館長が代わりに流してくれます。
お札のセット数(縁切札・縁結札が1枚づつで1セット)×200円分の郵便為替と、92円切手を貼った封筒(宛先を書いたもの、長形3号)を送ります。
そうすると、お札を送ってくれますので、お願いごとを書いて送り返せばOKです。
詳しくは、資料館のホームページに記載がありますので確認して試してみてはいかがでしょうか。
満徳寺資料館の営業時間と入場料
営業時間と休館日
営業時間:午前9時30分~午後5時
※入館の受付は午後4時半までになりますので注意してください。
休館日;毎週月曜日
※月曜日が祝日の場合には、翌火曜日が休館
※他、年末年始と臨時休館日あり
資料館の入場料
入場料:200円(中学生以下は無料)
※別途、縁切札・縁結札は1セット200円掛かります。(もちろん、購入しなくても大丈夫です)
また、太田市には他にも資料館や美術館があって、まとめて回れる共通入館券も発売しています。他にも興味がある場合には、こちらの方がお得ですね。
満徳寺資料館へのアクセスと駐車場
◆公共交通機関で行く場合
・東武伊勢崎線「木崎駅」から、4㎞ちょっとです。タクシーが出ているので10分くらいです。
・東武伊勢崎線「世良田駅」から約3㎞、徒歩で35分くらいです。こちらはタクシーがありませんが、駅前に無料レンタサイクルがあるそうです。
少々不便なので、できれば車移動の方が良いと思います。
◆車で行く場合
・関越自動車道 花園I.Cから約19㎞、35分ほど
・東北自動車道 館林I.Cから約35㎞、45分ほど
・北関東自動車道 太田藪塚ICから約20㎞、20分ほど
駐車場は資料館の無料駐車場があります。15台ほどの枠がありますが、広い敷地なのでもっと停められそうな感じです。
境内の清掃をしていた職員さんに話を聞くと、週末でも満車になる事はほとんど無いそうです。
以前、テレビで取り上げられた時は、結構混雑したそうですが、普段はそんなに心配する必要はなさそうです。
満徳寺資料館の周辺おすすめスポット
満徳寺資料館自体は、見学に1時間強もあれば充分だと思います。他の予定を組むのに、資料館の近隣で、実際に行ったことがあるおすすめのスポットを紹介します。
◆妻沼聖天山
渋沢栄一記念館のある深谷市のお隣り、熊谷市にあります。
日本三大聖天の一つで、「埼玉の日光」と言われる国宝の「歓喜院聖天堂」は一見の価値ありだと思います。ここも個人的にかなりおすすめです。
◆渋沢栄一記念館
2024年から新しい1万円札の顔になる事が決まったのが、渋沢栄一。太田市のお隣の深谷市の出身で、満徳寺資料館から5㎞程と近いです。
歴史や偉人が好きな人にはおすすめです。
◆道の駅はなぞの
こちらも埼玉ですが、大きな道の駅で、深谷や秩父の名産やお土産が揃っています。
2階にはゆるキャラグランプリに輝いた「ふっかちゃん」のミュージアムが、隣には深谷市の農産物直売所があり色々と楽しめる道の駅です。
おわりに
あくまでも資料館であって、今現在はお寺としては機能していません。
世界で二つしかなかった縁切寺「満徳寺」の名残を残す資料館であって、遺跡公園です。
管理自体も、太田市の管理です。
そのため正直な事を言うと、もしかしたら、縁切札・縁結札をトイレに流す行為自体もご利益はあまりないのかも知れません。
それでも、ゲン担ぎやおまじないとしては非常に楽しめます。
また、昔の縁切寺の風習や当時の人達の生活を垣間見る事は、非常に興味深い体験でした。
今は資料館でも、たしかにここには縁切り寺「満徳寺」があって、当時の人たちのドラマがあったのは間違いありません。
興味のある方は、是非行ってみてはいかがでしょうか。
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